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食の文化遺産5

《 和食の衰退 》

現在和食は衰退しつつあるようです。戦後の食生活の変化には著しいものがあり、1960年(昭和35年)と2010年(平成22年)を比べてみると、50年間で米の消費量が半減しています。


その分何を食べているかというと、パン・麺類などで、およそ3分の1ずつに分かれています。主食はご飯、と言いにくい状況です。また、おかずの味を口に残しながらご飯を食べるという口内調理(口内調味)は、和食の特徴的な食べ方とされますが、今ではそれも難しいようです。(学校給食で三角食べが指導された理由の一つです)

《 これから 》
当たり前だとしてきた和食ですが、かなり揺らいでいるようです。その歴史をみると、例えば中国から普茶料理や食事作法が入り、明治期には欧風料理が入りなどなど、様々な影響を受け変化し発展しながら今日に至っています。

そして、長い歴史の中で、日本の風土に合うように、和食の形が築かれてきたのです。風土に育まれた食材や料理には、健康の知恵と心満たす味わいがあります。次世代に伝えていきたいものです。

その取り組みの一つに、子供たちへの食育があり、学校給食では米飯化が徐々にすすめられています。(私事ですが、パンにけんちん汁という給食献立は、かなり苦手でした)


また、和食会議や様々の団体では講演やイベントで、和食の魅力の再認識を呼びかけています。さらに、日々の和やかな家庭の食卓もかけがえなく大切です。目まぐるしい現代の暮らしに和食文化を楽ししく取り入れる工夫が、和食を明日へつなぐ頼もしい力になっていくのでしょう。

☆次の最終回は、「食を作り、地球を作る」というスケールの大きい話を中心にお伝えします。 

 

2015.11.13記